OAuth 2.0
「Googleでログイン」「Facebookでログイン」の裏側の仕組み
パスワードを共有せずに、安全に情報をやり取りする技術を理解しよう
OAuth 2.0とは?
OAuth 2.0(オーオース2.0)は、あるサービスが別のサービスのユーザー情報や機能を安全に利用するための仕組みです。
最大の特徴は、パスワードを教えずに済むこと。代わりに「許可証(アクセストークン)」を使って、必要な情報だけを共有します。
安全性
パスワードを他のサービスに教える必要がない
制御可能
どの情報を共有するか選択でき、いつでも取り消し可能
期限付き
アクセス権限には有効期限があり、自動的に失効する
身近な例で理解しよう
🏢 オフィスビルの入館証
シナリオ:
大企業のオフィスビルで会議がある時、受付で「訪問者用の入館証」をもらいます。この入館証で特定のフロアだけ入れます。
OAuth 2.0との関係:
OAuth 2.0のアクセストークンは、この入館証のようなもの。限定的なアクセス権限を持ち、時間が来たら無効になります。
🚗 カーシェアリング
シナリオ:
カーシェアで車を借りる時、スマホアプリで予約して、ICカードで車のドアを開けます。車の鍵は渡されません。
OAuth 2.0との関係:
OAuth 2.0も同様に、マスターキー(パスワード)は渡さず、特定の期間・用途で使える権限だけを付与します。
🏨 ホテルのコンシェルジュ
シナリオ:
高級ホテルで、コンシェルジュにレストラン予約を頼む時、クレジットカード情報は教えず、「私の名前で予約して」と頼みます。
OAuth 2.0との関係:
OAuth 2.0では、アプリがユーザーの代わりに動作しますが、パスワードなどの機密情報は知りません。
📮 郵便物の受け取り代行
シナリオ:
不在時に、隣人に「荷物を代わりに受け取って」と頼む時、受領印の権限だけ与えて、家の鍵は渡しません。
OAuth 2.0との関係:
OAuth 2.0も、必要最小限の権限(スコープ)だけを与えて、全権限は渡しません。
OAuth 2.0の動作フロー
各ステップをクリックして詳細を確認してください
ステップ 1 の詳細説明
例:Instagram で「Facebookでログイン」を選択すると、このフローが始まります。
ユーザー
アプリ
認証プロバイダー
(Google等)
トークン
よくある誤解を解消しよう
実際のサービス例
最も広く使われているOAuth 2.0プロバイダー
利用例:
ソーシャルログインの代表例
利用例:
GitHub
開発者向けサービスの認証
利用例:
Twitter/X
SNS連携の定番
利用例:
セキュリティのポイント
安全に使うための注意点
公式サイトか確認
ログイン画面のURLが正しいか必ず確認(google.com、facebook.comなど)
許可する権限を確認
「このアプリが要求している権限」を必ず読んで、不要な権限は拒否
HTTPSを確認
URLバーに鍵マークがあることを確認(暗号化通信)
定期的な確認
Google/Facebookの設定で、連携済みアプリを定期的に確認・整理
不要な連携は削除
使わなくなったアプリの連携は、セキュリティ設定から削除
二要素認証を有効化
Google/Facebookアカウント自体の二要素認証を必ず有効に
🎯 まとめ
OAuth 2.0は、パスワードを共有せずに安全に情報をやり取りするための仕組みです。
「Googleでログイン」などの便利な機能の裏側で、
あなたの大切な情報を守りながら、必要な権限だけを安全に共有しています。
正しく理解して使えば、とても便利で安全な技術です。
定期的に連携アプリを確認し、不要なものは削除する習慣をつけましょう。